十代の終わりから何度も何度も歩いた道を歩いて帰る夜になっても人がたくさん行き来する街の間を
気を抜かないようにだた歩く
この街は入れ替わりが激しいから
見慣れない店が並んでいたり見慣れた店が空っぽになっていたりするのに
いつかと同じ空気が包んでいるせいで私は独り置いていかれたような気分になる
それでも駅をひとつ見過ごし ふたつ見過ごし
自分でもタイミングを見失っているとわかりながらも道を選ぶ
わからなくなった時は不安になるけど引きずり上げてほしい
無理矢理でもいやらしくてもいいから 引っ張っていってほしい
甘えた私は大丈夫の一言を待っている
大丈夫、大丈夫
この道は何回も歩いた
足を動かせば今朝目が覚めた部屋に戻る
何も変わらない日々が待っている
そう 寝る前に
明日が少しでも輝いていますようにと願って目を瞑るあの部屋がある