こんな夜を私はずいぶんと避けていた
向き合うのが怖いのは
バランスを崩してしまうのが怖いから
深い眠りにつこうとするのは
知らないふりをしたいから
全部の理由を私は知っているのに
逃げるように日々を消化し
見える景色は美しさを失った
それでもいいように思った
それでもいいんだと思った
許したいと思った
私も、彼も、過去も、未来も
でも私のしていたことは許すことじゃなくて
きっと諦めることだったのかもしれない
こんなに辛いのに
こんなに悲しいのに
気がつけてよかったと思うのは何故なんだろう
何もかもいっそのことなくしてしまえばと思うのは何故なのだろう
愛おしい物ばかりなのに